ほとんどの害虫駆除業者は、専門家としての誇りを持ち、誠実に業務を行っています。しかし、残念ながら、一部には消費者の知識のなさと不安に付け込み、不当な利益を得ようとする悪質な業者が存在するのも事実です。大切な家と財産を、このような悪徳業者から守るために、彼らが使いがちな手口と、その特徴を知っておくことは、非常に有効な自己防衛策となります。まず、最も警戒すべき特徴が、「過度に不安を煽り、契約を急がせる」ことです。「このまま放置すると、家が倒壊しますよ」「今日中に契約しないと、もっとひどいことになりますよ」といった脅し文句で、冷静な判断力を奪い、その場で契約書にサインさせようとするのは、悪質業者の典型的な手口です。優良な業者は、現状を正確に報告した上で、顧客がじっくりと検討する時間を与えてくれます。次に、「無料点検を謳い、突然訪問してくる」ケースです。アポイントもなく突然訪ねてきて、「近所で工事をしているので、お宅も無料で点検しますよ」と親切を装い、実際には必要のない工事を勧めたり、床下で自ら用意した被害の証拠(白蟻の死骸など)を見せて契約を迫ったりします。点検は、必ず自分から信頼できる業者に依頼するようにしましょう。また、「見積書の内容が異常に曖昧」な場合も要注意です。「害虫駆除工事一式」といった表記しかなく、具体的な作業内容や使用薬剤、単価などが明記されていない場合は、後から法外な追加料金を請求されるリスクがあります。さらに、「モニター価格」「キャンペーン価格」といった言葉で、大幅な値引きをアピールしてくる業者も慎重に判断すべきです。最初に不当に高い金額を提示し、そこから大幅に値引くことで、お得感を演出しているだけの可能性があります。そして、契約を交わした後に、連絡が取りにくくなったり、保証の履行を渋ったりするのも、悪質業者の特徴です。これらの特徴に一つでも当てはまるような業者とは、決して契約してはいけません。何かおかしいと感じたら、その場で契約せず、「家族と相談します」などと言って、きっぱりと断る勇気を持つことが、何よりも大切です。