テントウムシとの遭遇は、できれば避けたいもの。彼らを家の中で見つけてから対処するのではなく、そもそも家の中に「呼ばない」ための、事前の予防策を講じることが、最も賢明で効果的な対策です。彼らの侵入経路と習性を理解し、あなたの家を、彼らにとって魅力のない、侵入不可能な要塞へと変えましょう。まず、最も重要なのが、「侵入経路を物理的に塞ぐ」ことです。テントウムシは、越冬のために、暖かい空気が漏れ出している、ほんのわずかな隙間から侵入してきます。特に、日当たりの良い南側や西側の壁にある「窓サッシの隙間」は、最大の侵入ポイントです。経年劣化した隙間テープは新しいものに貼り替え、網戸に破れやほつれがないかを徹底的にチェックし、補修しましょう。また、意外な盲点となるのが、「換気口」や「エアコンの配管の隙間」です。これらの屋外と直接繋がっている場所には、目の細かい防虫ネットを張ったり、配管の隙間をエアコンパテで埋めたりすることで、物理的に侵入をシャットアウトできます。次に、彼らが嫌う「匂い」を利用した忌避対策も有効です。テントウムシは、ミントやハッカの香りを嫌うと言われています。ハッカ油を水で薄めたスプレーを作り、前述のような侵入経路となりそうな場所に、秋口から定期的に吹き付けておくと、天然のバリアとして機能します。また、古くから防虫剤として使われてきた「樟脳(しょうのう)」の匂いも嫌うため、網戸の近くなどに置いておくのも良いでしょう。そして、彼らを引き寄せる原因となる「白い壁」の対策です。もし、家の外壁の塗り替えを検討している場合は、白やアイボリーといった明るい色を避けるだけでも、彼らが集まってくるのを抑制する効果が期待できます。これらの地道な予防策を、彼らが越冬場所を探し始める秋口から集中的に行うことで、春になってから後悔することのない、平和な室内環境を守ることができるのです。