益虫であり、幸運のシンボルでもあるテントウムシ。家の中に大量発生したのは困るけれど、できれば殺さずに、平和的に外へお帰り願いたい。そう考える心優しい方は、決して少なくないでしょう。幸いなことに、テントウムシは、その習性を利用すれば、比較的簡単に、そして彼らを傷つけることなく、家の中から追い出すことが可能です。まず、一匹や数匹が壁にとまっている場合の、最も基本的な方法が、「紙とコップ」を使った捕獲です。まず、テントウムシの上から、そっと透明なコップを被せます。次に、コップと壁の隙間に、厚紙やハガキのようなものをゆっくりと滑り込ませ、蓋をします。これで、テントウムシは完全にコップの中に封じ込められます。あとは、そのまま屋外に運び、そっと逃がしてあげるだけです。この方法なら、虫に直接触れることなく、安全に退去を促すことができます。もし、窓枠などに数十匹の集団ができている場合は、より効率的な方法が必要です。その場合は、「ほうきとちりとり」が役立ちます。壁や窓を傷つけないように、柔らかいほうきで、テントウムシの集団を優しく、しかし素早くちりとりに掃き入れ、そのまま外に運びます。この時、彼らは危険を感じて黄色い液体を出すことがあるため、ちりとりは後で水洗いしましょう。さらに、究極の「ノータッチ」を実現するのが、「掃除機」です。ただし、これは使い方にコツがいります。吸引力を一番弱く設定し、ノズルの先にティッシュペーパーを輪ゴムで固定するなどして、虫が直接機械の内部に入らないように工夫します。吸い取った後は、すぐにノズルを屋外に向け、スイッチを切って彼らを解放してあげましょう。これらの優しい追い出し方をマスターすれば、罪悪感を感じることなく、不快な同居人との関係を、平和的に解消することができるはずです。
てんとう虫を殺さずに追い出す優しい方法