待ちに待った衣替えの季節、大切な冬物を出した瞬間に目に飛び込んできたのは、無残にも穴が開いたお気に入りのウールコートでした。その近くには、小さな茶色の抜け殻と、もぞもぞと動くカツオブシムシの幼虫がいました。このような事態に直面したとき、パニックになって服を捨ててしまう前に、冷静に行うべき応急処置があります。まず最初に行うべきは、被害に遭った衣類を隔離することです。カツオブシムシ幼虫は移動能力があり、そのまま放置すると隣にある別の服へと被害が拡大してしまいます。ビニール袋に入れ、口をしっかりと縛って密閉してください。次に、その衣類が保管されていた収納スペース、つまり引き出しやケースの全点検を行います。幼虫が一匹見つかったということは、その周辺には目に見えない卵や他の幼虫が確実に存在しています。ケースの中の服をすべて取り出し、一着ずつ裏返して、縫い目やポケットの中まで虫が潜んでいないか確認してください。カツオブシムシ幼虫は非常に小さいため、見落としがちですが、明るい場所で振ることで落とすことができます。点検が終わった衣類のうち、熱に耐えられる素材(綿や一部の合成繊維)であれば、洗濯機で洗った後に乾燥機にかけるのが最も効果的な殺虫方法です。カツオブシムシ幼虫は65度以上の熱に弱いため、乾燥機の熱で死滅させることができます。カシミヤやシルクなどのデリケートな素材で乾燥機が使えない場合は、スチームアイロンを浮かせてかけ、蒸気の熱を通すのも一つの手です。ただし、素材を傷めないよう注意が必要です。また、クリーニング店に持ち込み「虫食いがあったので念入りに洗ってほしい」と相談するのも良いでしょう。クリーニングの工程で行われる溶剤による洗浄や高温乾燥は、彼らを駆除するのに非常に有効です。並行して、収納場所自体の清掃と除菌を行います。掃除機で四隅の埃を完全に吸い取った後、市販の防虫スプレーを散布するか、エタノールで拭き掃除をしてください。この際、引き出しのレール部分やネジの穴など、極細かな隙間も見逃さないようにしましょう。そして、最も重要な応急処置の一つが「被害の源」を断つことです。クローゼットの近くに、食べかけの乾燥食品や、ペットフード、あるいは古いカーペットなどが放置されていませんか。それらが発生源となっている限り、いくら衣類を処置しても被害は繰り返されます。家中をチェックし、古い乾物は処分し、埃の溜まった場所を一掃してください。応急処置が終わった後は、新しい防虫剤を設置し、今後の再発防止に努めます。カツオブシムシ幼虫の被害は、発見が遅れるほど深刻になります。衣替えの時期だけでなく、月に一度はクローゼットを換気し、服を動かして点検する習慣をつけることが、悲劇を繰り返さないための最大の教訓となります。穴の開いたコートを眺めながら、私は二度と彼らに大切な服を渡さないと誓い、徹底的な大掃除を開始しました。
衣替えで見つけたカツオブシムシ幼虫の被害と正しい応急処置