家の中でシミ(紙魚)を一匹でも発見してしまったら、次にあなたが取るべき行動は、パニックになることではなく、冷静に「家宅捜索」を開始することです。その一匹は、必ずどこかにある「本拠地(巣)」からやって来ています。この見えない巣の場所を特定し、その周辺環境を改善することが、シミ問題を根本から解決するための、最も重要なステップとなります。では、彼らは一体、家のどのような場所を好み、潜んでいるのでしょうか。シミが棲みつくための絶対条件は、「暗い」「湿気が多い」「餌が豊富にある」そして「人の気配が少ない」ことです。この四つの条件が揃った場所が、あなたの家の中の「危険地帯」です。まず、最も警戒すべきは、やはり「本棚」や「書類を保管している場所」です。特に、壁にぴったりとくっつけて設置された本棚の裏側や、長年動かしていない本の隙間、そして押し入れの奥にしまい込んだままの古い雑誌や段ボール箱の中は、シミにとって最高のレストラン兼寝室です。次に、危険度が高いのが、「クローゼット」や「タンス」といった衣類の収納場所です。ここも暗くて湿気がこもりやすく、綿やレーヨンといった植物性の繊維や、衣類に付着した皮脂や食べこ-しのシミが、彼らの餌となります。特に、衣装ケースの底や、引き出しの隅に溜まったホコリは、格好の隠れ家となります。さらに、意外な盲点となるのが、「水回り」の周辺です。「浴室」や「洗面所」、「キッチンのシンク下」などは、家の中でも特に湿度が高くなる場所です。これらの場所の壁紙の裏や、床材の下、あるいはあまり使われていない棚の中などに、シミが潜んでいるケースは少なくありません。また、古い家屋の場合は、「畳の下」や「壁の内部」にまで、巣を広げている可能性もあります。捜索の際には、懐中電灯を片手に、これらの危険地帯を一つひとつ、根気よくチェックしていきましょう。捜索のヒントとなるのが、彼らが残す痕跡です。黄色っぽいシミのようなフンや、脱皮した後の抜け殻、そして特徴的なかじり跡。これらのサインを見つけたら、そのすぐ近くに本拠地がある可能性が非常に高いです。見えない敵の隠れ家を暴き、その快適な環境を破壊すること。それが、勝利への第一歩となるのです。
シミが一匹いたら探すべき!家の中の危険地帯