標高の高い山々を目指す登山者にとって、山頂での絶景と同じくらい印象に残ってしまうのが、道中で遭遇するブヨの猛攻です。特に登山口付近の沢沿いや、標高を上げる途中の樹林帯などは、ブヨがどこにいるかという問いに対して、ほぼ全域が該当すると言っても過言ではありません。登山の序盤、清らかなせせらぎを聞きながら歩を進める場面は最高に心地よいものですが、そこはブヨの繁殖の拠点でもあります。彼らは水中の岩肌に産み付けられた卵から孵り、羽化すると同時に周囲の茂みで獲物が通りかかるのをじっと待っています。登山者が休憩のために足を止める場所は、ブヨにとっても格好の狩場となります。どこにいるかを見極める手がかりとして、空気の停滞している場所や、湿った落ち葉が堆積しているエリアに注目してください。こうした場所はブヨが脱水症状を防ぐために好んで留まる場所であり、一歩足を踏み入れるだけで無数のブヨが舞い上がることがあります。ブヨは飛ぶ力が弱いため、風が吹き抜ける尾根や開けた岩場まで行けばその姿は消えますが、それまでの登りの工程では常に彼らの脅威にさらされることになります。対策として最も有効なのは、肌の露出をゼロに近づけることです。最近の登山ウェアは速乾性や通気性に優れていますが、ブヨの強靭な顎は薄手のタイツの上からでも噛み切ってくることがあるため、可能な限り厚手の生地を選ぶか、専用の忌避剤を併用することが推奨されます。また、登山中にどこにいるか分からないブヨを遠ざけるためには、ハッカ油を薄めた水を帽子やウェアに定期的にスプレーするのが効果的です。ブヨはその強烈な香りを嫌うため、一時的に接近を阻むことができます。また、彼らは人間の顔周辺、特に目や耳の周りにまとわりついてくる性質があり、これが登山の集中力を著しく低下させます。このような場合には、防虫ネット付きの帽子を被ることで、視界を確保しつつ物理的にシャットアウトすることが可能です。もし噛まれてしまった場合に備えて、毒を吸い出すポイズンリムーバーやステロイド外用薬を救急キットに入れておくことも忘れてはなりません。山というフィールドにおいて、ブヨは避けられない隣人ですが、彼らがどこにいるかという生息ポイントを熟知していれば、休憩場所の選定や装備の工夫によって被害を最小限に抑えることができます。自然の厳しさの一面としてブヨを理解し、万全の準備を整えることこそが、登山の安全と快適さを両立させるプロフェッショナルの心得と言えるでしょう。
登山の休憩中に注意すべきブヨの隠れ場所と効果的な防御策