やけど虫による痛ましい皮膚炎を避けるためには、彼らを私たちの生活空間に「近づけない」「侵入させない」そして「触れない」という、三段階の予防策を徹底することが何よりも重要です。まず、「近づけない」ための対策です。やけど虫は光に集まる習性があるため、夜間は、不要な屋外の照明は消すようにしましょう。窓には、紫外線をカットするフィルムを貼ったり、照明をLED電球に変えたりするのも、虫を誘引する光の波長を減らす上で効果的です。また、家の周りの雑草をこまめに刈り取り、湿った環境をなくすことも、やけど虫の発生源を減らすことに繋がります。次に、「侵入させない」ための対策です。窓やドアを開けっ放しにするのは厳禁です。網戸は常に閉め、破れや隙間がないかを定期的にチェックし、必要であれば補修しましょう。ドアの開閉も、素早く行うことを心掛けます。玄関灯の近くや、網戸には、予め「虫除けスプレー」を吹き付けておくと、侵入防止効果が高まります。特に、ピレスロイド系の成分を含むスプレーは、多くの飛来昆虫に対して忌避効果を発揮します。そして、最も重要なのが、万が一侵入を許してしまった場合に「触れない」ための対策です-。家の中で、やけど虫らしき虫を見つけても、絶対に素手で触ったり、叩き潰したりしてはいけません。ティッシュペーパーなどでそっと虫を包み込むようにして捕まえ、ビニール袋に入れて密封するか、屋外へ逃がします。あるいは、虫との距離を保ったまま、ガムテープなどに貼り付けて捕獲する方法も安全です。寝る前には、布団の周りに虫がいないかを確認する習慣をつけるのも良いでしょう。これらの地道な予防策を組み合わせることで、やけど虫との遭遇リスクを大幅に減らすことができます。